2020年 Top5 AIトレンド

データサイエンス

2020.03.13

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2020年 Top5 AIトレンド

KDnuggets社が2020年のAIトレンドを予想した Top 5 AI trends for 2020という記事を見つけました。記事の中では2020年にAIが大きな影響を与える領域として、小売業・RPA・ヘルスケア・チャットボットの5つを挙げています。

本記事では一部原文の翻訳も交えながら、その内容について解説していきたいと思います。

1.小売業

eコマースの発展と普及により、その波に乗れずに廃業せざるを得なくなる会社も多いという話を耳にする事が多くなった小売業界。

実際に、2015年から2019年の間にアメリカでは81の大手小売業者が破産したとのことです。一方で、その破産の一因ともなるeコマース大手Amazonは人工知能などの高度な技術を用いて小売業への進出を始め、2018年1月にその1号店をオープンしました。

アメリカの小売最大手ウォルマートでは、去年の初めにロボットの試験導入をして以降、在庫管理や商品の整理などロボットの導入に積極的で既に数千台のロボットが稼働しているとのことです。

今後はこれまで比較的単純作業しか行えなかったロボットがより高度な作業まで出来るようになっていくことや、生体認証技術の採用で、eコマースサイトの様に小売店利用時にもパーソナライズされた商品のレコメンドが可能になるのではということも予想されています。

小売業では規模の大小に関わらず、より少ない人数で効率的なオペレーションが出来るように変わっていかなければ、生き残れない時代になってきているといえるのかもしれません。

2.RPA(Robotic Process Automation)

マッキンゼー・グローバル・インスティテュートのレポートによると2055年までには私達の作業タスクのほぼ半分は何らかのロボットによって実行されるようになると予想されています。数年前から注目を集めるRPA=Robotic Process Automation/ロボティックプロセスオートメーション。

業務効率化や生産性の向上を目的とした業務の自動化を行うRPAは、現在では単純で定型的な作業の自動化を目的としているものがまだ多いですが、今後AI技術の発展やRPAの普及が進むと、RPAでより高度な事が行えるようになると考えられています。

RPAがこれまで人間が業務を担う分野というと、反復作業や単純作業など低所得者向けの仕事をイメージする人も多いかもしれませんが、RPAとAI技術が組み合わさればホワイトカラーの仕事も今後はRPAが行うようになっていくことでしょう。

3.ヘルスケア分野

元の記事では、AIの貢献で医療分野の仕組みを根底から変えるとまで断言しています。

日本であまり話題になることはありませんが、発展途上国や後進国ではインターネットが利用可能な地域が広がった事やモバイル端末がより安価で手に入れられるようになったことで、10年・20年前では技術的にも経済的にも不可能であったような方法を使って既存の医療問題が解決出来るようになっています。

ヘルスケアの分野は国によってIT化の度合いや直面している医療問題、法律など解決すべき課題も最適な解決方法も異なるため、一概にどのようにAIが影響を与えるかを具体的に言及する事は出来ませんが、その分AIが活用出来る可能性のある部分は大きく利活用の方法も数多く考えられる分その活用については非常に注目度の高い領域であるともいえるでしょう。

4.チャットボット

現在ではまだまだ単純で定型的な問い合わせに対する受け答えのみをチャットボットが対応し、複雑な質問や問い合わせになると人間が対応する事の多いチャットボット。

こちらもAIのさらなる発展とともに、より高度な受け答えが出来るようになると予想されています。

元の記事では、2020年にはチャットボットにAIや機械学習が実装されることによって、人間のオペレーターよりも効果的なコミュニケーションパターンを提供出来るようになると予想しています。

将来AIに仕事が奪われる可能性がある職業としてコールセンター業務が話題にのぼることがあります。この一年やその先数年でのチャットボットがどれくらいの事までを出来るかという部分に大きい変化があるなら、コールセンター業務は全てAIに置き換える事が本当に可能なのか、それともまだまだ人間にしか出来ない事がたくさん存在する事が判明するのか、その答えがより明確かつ具体的になってくるかもしれません。

 

5.情報プライバシー

AIに限らず、「ビッグデータ」という言葉が話題になった頃から度々話題となり議論されるのが情報プライバシー、主には個人情報の扱いです。

インターネットに繋がる端末ではユーザーにまつわる様々な情報がサーバーへと送信されています。EUではGDPR(一般データ保護規則)が2018年から適用されましたが、個人情報はその概念や扱いに関する既存の法律などが国によって違うため、全く同じ法律を他の国にもそのまま適用する事は出来ません。

今年以降、こういった法整備や規制などが世界各国で進んでいくと元の記事では予想しています。実際にカリフォルニアでは2020年1月1日から消費者プライバシー法が施工されたそうです。

昨年頃から「RegTech」(Regulation+Techの造語)という分野がにわかに注目を集めています。元々は金融規制の管理することを意味していましたが現在ではIT技術を利用して様々な規制に効率的に対応をする仕組み全般の事を指すようになりました。この分野でも現在AIの活用が少しずつ広がってきているため、世界各国・地域で個人情報の扱いに対する法規制が進むほどに、このRegTechと情報のプライバシーの領域が結びつきAIが影響を与えていくことになるのではないでしょうか。

AIという言葉とそれが指す技術が注目されてから数年が経ち、様々なところで活用されるようになってきました。

この記事で取り上げた5つの領域では実際に2020年でどの程度AIの活用が進むのか、またここでは触れられていない分野で一気にAIの利活用が進む分野が出てくるのか、今年も引き続き注目が集まります。

参考記事:Top 5 AI trends for 2020

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