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データドリブン経営とは?

“データドリブン”経営

「データドリブン」というと、過去のデータを分析してビジネス上の課題点を見つけKPIの設定や施策を考えたり、過去のデータを元に予測モデルを構築して売上の予想に使用したりといった事が最も一般的に行われています。

こういったケースでは、データ分析が行われているのはPDCAのC(Check)の部分にあたります。

「データドリブン」という言葉を厳密に捉えるなら、PDCAのC(Check)の段階ではなく、P(Plan)の時にデータを分析して活用する事こそが、本当の意味での”データ駆動”ではないでしょうか。

P(Plan)の時にデータ分析を行うためのフレームワークとして、KBQ(Key Business Question)というものがあります。

KBQとはデータ分析の結果をもとにこの先どのようなアクションをとるべきか、先を見据えた質問を行なうフレームワークです。

KBQフレームワークとは

KBQには4つのステップがあります。

ステップ1:目的を定義する

KBQを行なう目的、つまりはビジネス上の解決したい課題が何なのかを明確にします。

ステップ2:データの洗い出し

目的に関連するデータを包括的に集め、ステップ1で定義した目的を軸にしてデータ分析を行い、問題点の発見や考察を行います。

ステップ3:キーとなる質問を作成する

ステップ1で定義した目的を達成するために、ステップ2の問題点を解決するためにどうすれば良いかという観点で質問を挙げていきます。

ステップ4:質問に優先順位をつける

ステップ3の質問に優先順位をつけます。優先順位はビジネスに与える影響の大小、現実的か否か、この2軸が指標となります。
ビジネスに与える影響が大きく、現実的なものほど優先順位が高くなります。

この4ステップを通じて、優先順位が高いと判断した質問に対してどのような回答が出来るか議論を行い、実際にアクションをするのがKBQによるデータ駆動の課題解決方法です。

例えばグローバル展開をしているホテルで収益の減少の改善を目的としてKBQを実施した場合、考えられる優先度の高い質問の一例にはこのようなものがあります。ステップ2でデータ分析を行った結果、常連の顧客の利用が減少している事が分かった場合

質問1「常連の顧客が離れていってしまう時期を予測して、対象の顧客のロイヤルティを高めるようなインセンティブを提供する事はできますか?」

ステップ2でデータ分析を行った結果、競合ホテルと比較して料金が高価格に設定されている日が多かった事が判明した場合

質問2「Webサイトの予約時に表示される価格を変動性にして、常に最適化された値段が表示されるような実装はできますか?」

こういった質問に対し、具体的な回答内容や掘り下げた質問を重ねる形で議論を進め、現実的な施策に落とし込んでいきます。

(質問1であれば現実的で具体的なインセンティブを誰かが回答する、もしくは「提供可能なインセンティブにはどのようなものがありますか?」という質問を誰かが行なう、といったようにして進めていきます)

それぞれの質問に最も現実的で適切な回答が出来るのは、データ分析チームでも経営者でもない事が多くあるため、KBQフレームワークを使用する場合には、横断的に様々な部署の人に参加してもらい議論を重ねる事が重要な要素です。
また、議論の前提としてより良い目的設定と質問の作成も大事で、その際にも各部署それぞれの視点からの意見が非常に重要となってきます。

そのため、出来るだけステップ1の段階から最終的に議論に参加するメンバー全員が関わり全てのステップを共有する事が望ましいといえます。一番良いのはこのためのプロジェクトを作り、各部署の担当者を決めてステップ1から参加してもらう事でしょう。

KBQとビジネストランスレーター

このように部署横断型でビジネスの課題解決について議論する際にはもう一つ、ビジネストランスレーター(アナリティクストランスレーター)の存在も重要です。

経営者がデータ分析結果を元に意思決定を行う際、データ分析チームと経営者の橋渡し役としてその間に入り、データサイエンスの専門的な話を分かりすく説明する一方で経営者視点にも立って意見をするのがビジネストランスレーターの役割です。

KBQプロジェクトのような場合にはデータ分析チームと経営者の二者の間だけでなく、マーケティングや企画、営業、経理など様々な部署の間での橋渡し役を求められるため、各部署の専門的な話を理解するための知識や各部署の立場の理解など、よりマルチリンガルなビジネストランスレーター像が求められます。

ビジネストランスレーターの需要が増加するといわれているのには、今後ビジネスでのデータ活用がさらに普及していくと、このように一歩踏み込んだKBQ的なデータドリブン型による課題解決を行なう組織も増えてくることが予想されているという背景もあります。

データサイエンス人材の需要が高まるとより高スキルの人材の価値だけがどんどん上がっていくようなイメージを持つかもしれませんが、実際にはこういったビジネストランスレーターの需要も増えることで、データサイエンスを学んだ後のキャリアに多様性が生まれ選択肢が広がる可能性も高いでしょう。

参考:Use Data to Answer Your Key Business Questions
How to Make Sure You’re Not Using Data Just to Justify Decisions You’ve Already Made

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