Inside of data science
データサイエンスに纏わる様々な視点を発信しています

データサイエンス

もし営業(セールス)担当者がデータサイエンスを学んだら

データサイエンスのビジネス活用としては、データドリブン経営とデータマーケティングの2つが最もフォーカスされやすいですが、その目的である「売上」に直接的に関係するセールス・営業の領域でも活用できる場面はもちろんあります。今回はセールス領域ではどのようにデータ活用が出来るかについてご紹介します。

売上予測

セールスにデータを活用すると聞いて、一番イメージしやすいのは売上予測ではないでしょうか。売上の予測は在庫管理や物流、生産計画、人員管理など、商品・商材に関連する全てのプロセスに影響するため、セールスだけでなく組織全体にとっても非常に重要です。売上予測はデータドリブン経営でも必ず使うといっていい指標なので、既にデータサイエンスの活用を行っている企業であればデータは間違いなくあるでしょう。信頼出来る売上予測のデータがあれば、セールスもそれに基づいた計画の立案と実行が円滑に行えるため、業務プロセスの改善や効率化にも繋がります。

CLV(顧客生涯価値)

CLV(Customer Lifetime Value = 顧客生涯価値)はデータに基づく意思決定を行うための重要な指標です。CLVは粗利益、購入頻度、平均注文額など様々なデータを元に、長期視点で捉えた顧客の「総合的な価値」を算出します。CLVを算出する決まった計算式というのがあるわけではないため、どのようなデータを元にどのような計算でCLVを算出するのが最適かを検討し、より実態に近い値となれば、そのCLVを参考にさらなる効果が見込める施策へと繋げられます。CLVモデルを構築することができれば顧客の行動に変化を与える要因なども特定しやすくなるでしょう。

アップセル・クロスセル

CLVの改善に効果的といわれるのが「アップセル」と「クロスセル」と呼ばれる営業やマーケティングで使われる手法ですが、ここでもデータサイエンスは活用されます。

顧客単価をあげるために、これまでより価格の高い商品を顧客に買ってもらうようにするのがアップセル、これまでより多くの商品(関連する商品)を一緒に買ってもらうようにするのがクロスセルというアプローチで、購買履歴や行動などを元にしたデータマーケティングや購入に至りやすい商品のレコメンドなどを行うことで、CLVの改善が期待できます。

価格最適化

製品やサービスに最適な価格を設定することも非常に大事です。新製品の価格設定もそうですが、需要と供給に合わせた価格の変更であったり、市場の状況に応じた価格設定の見直しであったり、セールやキャンペーンでの適切な価格設定なども含まれます。勘ではなくデータに基づいて効果的な値引き額や価格設定を行うことで、必要以上の値引きをしてしまうことも防げますし、人間が行うよりも高頻度(場合によってはリアルタイム)で市場の状況を監視して価格を変動させる事も可能です。

チャーン防止

営業の売り上げには、新規顧客の獲得も大事ですが既存顧客のチャーン(解約や退会など顧客の離脱)を防ぐ事も非常に重要です。

顧客の購買履歴や購買行動に関するデータがあれば、機械学習を使って過去に解約した顧客のデータをもとにその行動パターンや傾向の特徴を見つけ、同様の傾向がみられる顧客を発見し事前にアプローチを取ることで顧客の離脱を防ぐ施策を打つことができます。

根本的なチャーンの要因となるものが特定出来れば、その問題を解決することでチャーンレートを下げることも出来るでしょう。

チャットボット

顧客とのやり取りは営業にとっての大事な仕事ですが、比較的単純なやり取りや定型的な問い合わせ対応などは自動化してしまった方が効率的といえるでしょう。忙しさや担当者不在などで顧客を待たせてしまったり、返信を忘れてしまったりすることで生じる機会損失を防げます。問い合わせしてきた顧客のIDを元に現在チャーンの兆候が既に見られている顧客かどうかを判断したり、感情分析のできるチャットボットを使って顧客の問い合わせの意図をより正確に把握したりすることで、顧客の意図やニーズに合わせた対応も可能になりますし、営業担当者は対応すべき案件に絞って効率的に対応にあたれます。

問い合わせの履歴は今後のチャットボットの精度向上にも利用できるほか、売り上げ予測や今後のチャーン防止にも活用出来ます。

セールスのデータサイエンス活用は本格的に取り組もうとするとデータの内容が多岐に渡り、必ずしも欲しいデータが社内に既にあるとは限りません。

場合によってはデータの取得方法から検討したり、そのためのデータ分析基盤の構築をしたりといったところから始めるプロジェクトもあるでしょう。

ただしセールスで活用するデータやその分析結果はマーケティングや経営でも利用出来るものが多く、その成果のほとんどは売り上げの数字にダイレクトに反映されるため、多少の労力をかけても十分に見合う効果が得られると思います。

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